漫画の郷「大神楽(おおかぐら)」
VHSビデオ全5巻
※販売価格は税込価格です。
備中神楽は、備中の国(岡山県の北西部から広島県の県境にかけて)に古くから伝わる民俗芸能で中世系・近代系の神事と芸能が複合した玄人神楽です。
激しい修行の中で受け継がれ現在もこの地方の歳事にとけこんでいます。
また国の重要無形文化財にも指定されています。
今回の「漫画の郷 大神楽」は、岡山県内の神楽社中選抜きの神楽太夫40人が一人一芸で演じた今世紀最高の「備中神楽」です。
神楽は元来、荒神信仰に端を発した鎮魂の行事で夜を徹して行われたものです。
しかし年々神楽も芸能化が進み、最近ではイベントなどに呼ばれ短時間で動きの派手な部分だけを舞うようになり、本来の姿を失いつつあります。
このたびの神楽は社中の枠を超えて神楽の第一人者を結集して行った事に意義があり、通常の神楽の呼び名に「大」の文字を追加しています。
また、川上町は漫画家富永一郎氏の支援のもと、漫画の郷として町興しをしている事からこの名がついています。
「漫画家の郷 大神楽」は平成9年9月14日に川上町弥高山の屋外で当初行われる予定でしたが、台風の接近で急遽、小学校の体育館に場所を移し、午後6時から翌朝の午前6時まで12時間にわたり行われました。
岡山県内でもこれだけ本格的に撮影されたものは初めてで、しかも備中地方(美星町)出身の民俗学者 神埼宣武氏の解説で舞台が進行していきます。
祭りや芸能は、文字による報告では十分理解できないため映像資料が大いに役立つものと確信いております。
【第1巻 神楽太夫の舞い〜岩戸開き 漫画の郷 大神楽(おおかぐら)】
役指の舞祭主から、祭典や神楽その他の一切の役割を申し渡す舞。
祭主の代行として役配を書いた紙を弊串に挟んで、神楽太夫が舞う。
「榊舞」神楽の初めにあたって、神殿・神職・神楽太夫・氏子・その他一切を清めるため、神の「よりしろ」として榊を持って舞う。
「白蓋神事」荒神をはじめ、八百万の神々を勧請し、鎮座を願う神事。
天孫降臨の時の「天の真床覆の襖」を想像して作ったもの。
「導きの舞(曲舞)」備中神楽は、荘厳な「命舞」、流麗な「姫舞」、勇壮な「荒舞」など、いくつかの舞型があるが、それらを総称して「曲舞」という。
この基本の舞に続いて猿田彦の由来を説明する。
「猿田彦の舞」天孫ニニギノミコトを先導した「先払い」の神として、神楽全体の悪魔払いの役を演じる。
舞には日本古来の武術の原型が組み込まれ、奥州に伝わる「鬼剣舞」を、中世の昔、山伏がこの地に伝えたと聞く。
「天の岩戸開き」天照大神が弟神「素戔鳴尊」の悪行に怒り、天の岩屋の戸を閉ざして中にこもっていまった。
この為に高天原も葦原中国も真っ暗になる。
慌てた諸神達が天の安の河原に集まり一計を案じるところから神楽が始まる。
(約2時間32分)
【第2巻 大国主命の国譲り 漫画の郷 大神楽(おおかぐら)】
葦原中国の大国の主神が、国土を高天原の勅使に献上するという神能で、神代能の中心をなす神話劇。
経津主・武甕槌の二神が舞い出した後、大国主命が舞い出し中国のかまどめぐりをし、観衆に福の種をまく。
大国主が休息しているところへ二神が現れ、国譲りの交渉をする。
大国主命は、息子の事代主命を呼んで相談し、国は皇孫に献上することを決定する。
しかし、他の一子健御名方命が国譲りに反対し、二神と激戦を繰り広げる。
やがて、武御名方も二神に力負けして恭順を誓う。
(2時間12分)
【第3巻 八岐の大蛇退治 漫画の郷 大神楽(おおかぐら)】
悪業を働いた為に高天原を追いやられた素戔鳴尊であるが出雲の国で奇稲田姫を救うため、八俣の大蛇を退治する。
はじめに素尊が「遣いの舞」で舞い出し、足名椎・手名椎の慰姥が出て、素尊に嘆きの子細を伝える。
素尊は姫を妻にする約束で、謀をもって大蛇を退治する準備を命じる。
奇稲田姫との契りの舞の後、松尾明神が手伝人と共に酒造りをする。
やがて、素尊の幕掛り舞に続く大蛇退治で幕となる。
(2時間11分)
【第4巻 五 行 漫画の郷 大神楽(おおかぐら)】
仏教と共に我が国に伝来した陰陽五行思想をもとに農耕の基本をなす「暦」の説明を話題の中心に据え、天地万物・宇宙を論じ、人の生き方を考える問答神楽。
天地開闢の時、万物をことごとく生み広めた伊邪那岐万古大王が、五人の王子に季節・方位・森羅万象などを分担して天上する。
やがて兄弟に不和が生じ、修者堅牢神が登場して仲裁する。
五郎王子が五行幡を振って舞いあげておわる。
(2時間16分)
【第5巻 剣舞□布舞□網舞 漫画の郷 大神楽(おおかぐら)】
「剣舞」神楽の「舞い納め」の神事舞で、猿田彦の先払いに対して、剣舞は「後払い」の意味をもつ。歴史の古い神事舞である。
「布舞」「夜もすがら神楽を奏でてくれてありがとう。私もうれしい舞を舞いたい。」という荒神(旧祖霊)の舞で神の依代としての白い布を通じて舞手に神が依り憑き、神殿上には荒神の神霊が満ちている。
神懸かりした舞手は、斎主が呪文で解いて介添えが連れて退く。
「綱舞」新旧祖霊が合体した荒神の舞納め。
舞手は、布舞で用いた布でたすきをして、綱をゴーヤ(五皇ヤー)ゴーヤー(護王ヤー)と動かして神懸かりとなる。
はじめは、素手で、次に松明を持ち、激しく動く。
神職の御祓いの後、久満米によって託宣を行う。
(1時間36分)
平成9年9月14日(日曜日)川上町弥高公園にて収録
主催/備中神楽五十鈴会 漫画の郷大神楽実行委員会
協力/備中神楽伝承研究会 川上町備中神楽保存会
後援/備中神楽成羽保存会 無形文化財備中神楽保存振興会 岡山県高梁地方振興局
制作/テレビせとうちクリエイト 川上町教育委員会
漫画の郷「大神楽(おおかぐら)」
VHSビデオ全5巻
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